「カンジダ」…なんとなく性に関する病気だというのは知ってるけど、実際どんなものか知らない。
やはり自分がその立場にならないと、知る機会がないというのが現実かもしれません。
今回はそんな知ってるようで知らない、でも意外と身近にある病気「カンジダ」についてもっと知ってもらえたらと思います。
何が原因で、どんな病気で、自然治癒できるのか?もしもの時にも焦らずに対処できるよう、まずは知ることから始めてみましょう。
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もしかしたらカンジダ?その症状とは。

やはり気になるのは「自分はどうなんだろう?」というところですよね。
性器カンジダ症に感染した場合にどのような症状が出るのか、女性だけでなく男性に出る症状もご紹介しますので、自分とパートナーに当てはまるものがないかチェックしてみてください。
女性の症状
まず女性の症状は以下のものがあげられます。

- 外陰部に軽い浮腫(むくみ・はれ)・軽い赤み
- 膣の激しい掻痒感(かゆみ)やひりひりする痛み
- おりものの増加(酒粕状・粥状・ヨーグルト状などの白い塊)
- 性交痛
- 排尿障害
普段とは違う感じのかゆみを感じたり、おりものが出てきたときには少し疑わしい可能性があります。
おりものに関する補足として、女性系の病気に関する記述ではよく「おりもののにおい」について触れられることが多いですよね。
この後にもお話しますが、健康な時の膣内は弱酸性の状態で雑菌の繁殖を防いでいるため、通常時でも少し酸っぱいにおいがします。
しかし、カンジダになりやすい中性やアルカリ性に傾いた場合は、逆にこの酸っぱいにおいが減り、おりもののにおいはそんなに気にならなくなることが多いそうです。
また膣内のかゆみが伴う症状にはトリコモナス膣炎、性器ヘルペス、細菌性腟症などもあるのでかゆいからといってすべてがカンジダに分類されるわけではありません。
他の病気でも同じ症状がでることがあることも頭に入れて、他の病気の可能性がないかもチェックするようにしてくださいね。
男性の症状
男性がカンジダに感染することは少ないようですが、男性の症状も念の為にお伝えしておきます。(男性への感染に関しては、またのちほどお話します)

- 亀頭部や包皮に白いカス
- 発赤(あかみ)
- 水泡(ブツブツ)
- 湿疹(あかみや、はれ)
- 痛み
男性の場合は、痒みよりも痛みの方が強いそうです。また、セックスやマスターベーションの刺激で切れたり、亀裂が入ったりすることがあるので、治るまではそういった行為は控えた方が良いでしょう。
男性の場合は後でも少し触れますが、亀頭包皮炎という亀頭周りの炎症とも症状が似ている場合があるので勘違いされることも多いようです。
カンジダをもっと知ろう!カンジダは性病ではない!?
さてそんなカンジダですが正式には「性器カンジダ症」といい、カンジダ菌というカビの一種によって炎症などの症状出る病気です。
一般的に勘違いされがちですが、カンジダは性病(性感染症 STD)とはちょっと違うんです。
性感染症とは普通パートナーとのセックスに寄ってうつしたりうつされたりするものです。
対してカンジダ菌は私たち女性なら誰もが持っている「常在菌」の一つで、主に膣内、他にも腸や口腔内の粘膜や皮膚にも存在しています。
このいつもいる菌のカンジダ菌がストレスや病気などで免疫力が下がることで日和見感染*して起こるのが「性器カンジダ症」なんです。
健康な状態では病原性がない菌やウイルスが、宿主の抵抗力が低下する(免疫力が下がる)などで病原性を発揮し、引き起こされる感染症のこと。
つまり女性なら持っていて普通の菌なので一般的なうつしたりうつされたりする性感染症・性病とはちょっと違うんです。
性器カンジダ症は女性に多く「5人に1人」が感染、特に20代が多く、年齢とともに感染率は減少するそうです。
カンジダ菌は普段、私たちの免疫力や膣の内部にいる「デーデルライン乳酸菌」という常在菌の作用で異常増殖が抑えられています。
しかし、以下にあげるような要因でこのバランスが崩れると、カンジダ菌が増殖し、発症することになります。
1.免疫力低下・膣内環境変化

ここで一つ気になるワードが「妊娠」です。妊娠すると膣内環境が大きく変化し、いつも以上にカンジダ菌が増殖しやすくなるんだそう。
- 非妊婦・・・約15%
- 妊婦・・・・約30%
分娩前には治療をしておかないと、出産時に赤ちゃんが産道を通る際に感染する恐れも。
赤ちゃんが感染すると、舌に白い海苔のようなカビが生える「鵞口瘡」という病気が起こることがあるそうなので、赤ちゃんのためにも自然治癒に頼らず、きちんと治療はした方が良さそうですね。
2.増殖を抑制している常在菌が減少

デリケートゾーンに匂いなどが気になって、ついつい念入りに洗いがちですが、これが大事な常在菌が減少する原因にもなるんです。
また、私たちが普段当たり前のように使っているウォシュレットも、常在菌を減らしてしまう要因となるそうです。
きれいに保ちたいと思ってしていることが病気を引き起こすことに繋がってしまうと思うと、そういう知識って本当に大切だなと実感できますね。
本来備わっている自浄作用を信じて、洗浄の際は弱酸性の石鹸で表面だけ優しく洗ってあげるように心がけましょう。
3.ピルの使用
膣内は基本的に酸性の状態で、それが中性やアルカリ性に傾くと増殖しますが、実は酸性に傾きすぎても増殖しやすくなるそうで…。なんとも絶妙なバランスが必要なんですね。
ピルを使用すると、膣内が妊娠した状態と同じホルモンバランスに傾きます。これは膣内が酸性に傾きがちな状態で、カンジダ菌が増殖しやすい環境になってしまうということ。
もちろん、ピルを飲んでいるから必ずしもそうというわけではありませんが、ちょっと心配だなと思う場合には、ピルを処方してもらう機会を利用して定期的に検査をしてもらうこともオススメします。
男性には感染するの?
この性器カンジダ症、男性は症状が出ることが少ないと言われています。とはいえ、全く感染することがないというわけではありません。男性で感染する可能性がある原因は、

といったものが挙げられます。
なお、セックスが原因で感染する確率は約5%程度だそうです。しかし、カンジダ菌は女性が保有していることが多いので、セックスにおいて男性の性器に付着することは当然あるでしょう。
基本的には外気に触れるため問題ない場合が多いのですが、そのまま不衛生にしていると菌が増殖してしまいます。すると、「カンジダ性亀頭包皮炎」という病気になるんだそう。
セックスのあとにまったりしたいのはよくわかりますが、菌の繁殖を防ぐためにも早めに洗浄をしたり、基本的なことではありますがコンドームをつけることで、感染の可能性はかなり減らすことができるでしょう。
カンジダ症を予防しよう!
これまでに挙げてきた菌の増殖の原因となるものを取り除くことで、ある程度はカンジダ症の発症は抑えられますが、それ以外にもできる予防法があります。
菌が繁殖しやすい環境をつくらない
菌は湿気を好むため、そういった環境を作らないのが第一の予防法です。
- 通気性の良い下着をつける
- 生理ナプキンやおりものシートなどはマメに交換する
当たり前すぎて意識しなくなってしまうようなことを見直すだけで、菌が繁殖しない環境は簡単に作れるのかもしれません。
植物成分のものを摂取
植物成分にはカンジダ菌の病原性を低下させるものが多いそうです。
- 新鮮な野菜(香りの強いもの、ポリフェノールが多く含まれるもの)
- シナモンやハーブ
野菜不足になりがちな食生活の見直しも、カンジダ症予防には大変有効なようです。
糖質を控える
ブドウ糖やアミノ酸はカンジダ菌の増殖を活発にする作用があるそうです。
最近は糖質制限したいわゆる「ロカボ料理」なども流行ってきていますが、ロカボはダイエットだけでなくカンジダ症の予防にもなるというのはかなり意外ですね。
口腔ケア
膣内だけでなく、口腔内にもカンジダ菌は存在します。口腔内で増えた菌を食事と一緒に体内に流し込んでしまうと、胃や腸に菌をばらまくことになってしまいます。
食後や就寝前の歯磨きの習慣は、カンジダ症予防にもとても重要なんです。
乳酸菌をとる
カンジダ菌の増殖を抑える「デーデルライン乳酸菌」を増やすためにも、ヨーグルトなどで乳酸菌を積極的に摂取するようにしましょう。
ヨーグルトも近頃は「機能性ヨーグルト」も増え、種類が充実しています。朝でも夜でもかまいませんのでえ、毎日続けることで善玉菌を増やし、体調を整えるようにしましょう。
カンジダは自然治癒する場合「も」ある
カンジダ菌増殖する要因がなくなれば、あらかじめ備わっている自浄作用も戻って、膣内のバランスが正常な状態に戻る…つまり、自然治癒する場合はあるんだそうです。
しかし、あくまでもこれは軽度の場合。
強い痒みや大量のおりものなど、さきほど挙げた症状が重度の場合は自然治癒に頼るのは危険です。
放置すると、炎症がひどくなったり、湿疹がひどくなったり、カンジダ症が慢性化して完治が難しくなることだってあるんです。

と簡単に自己判断せずに、少しでも気になる場合は放置せずに診療を受けることをオススメします。これは自分のカラダだけでなく、パートナーや生まれてくる赤ちゃんにも影響があることなんですから。
カンジダが発症・再発した!
あ、これはもしかして・・・と感じるような時は以下を守るようにしましょう。

- かゆみがあってかかないように!感染が広がることがあります
- デリケートゾーンには石鹸を使わずにぬるま湯で洗い流すように
- タオルは毎回清潔できれいなものを使い毎回洗うように
- パートナーが居る場合は必ず伝え、タオルなどの使い回しはやめる
- パートナーと共に医師の診断を!
ご自身で再発だと分かる場合で、どうしてもお医者さんに行く時間が無い方は、市販の薬でも対応できることもあるようです。薬剤師さんに相談してみてください。
とにかく悪化する前に早めに行動をしてくださいね。
余談ではありますが、女性のカラダに関するお話を取り上げると、必ずと言ってほど登場するのが「ストレス」や「ホルモンバランス」ですね。
この2つがどれほど女性のカラダに影響を及ぼすものなのかを、私たちも身に染みて感じています。
私たちLovi-Aが、あなたが抱えているストレスをほんのちょっとでも軽くするお手伝いができたら…そう強く感じています。
今回のようなカラダに関することだけではなく、ココロに関することでも構いません。ぜひあなたのストレスを聞かせてください。コメント・メッセージ、お待ちしています。